山城久雄 原画展『海にいきる』とギャラリートーク


2025年3月9日(日)14時から、石垣島の石垣市立八重山博物館にて「山城久雄 原画展『海にいきる』」開催記念ギャラリートークにゲスト登壇いたします。
一緒にお話しさせていただくのは写真家の西野嘉憲さん。同書の編者であるとともに版元の立夏書房の代表であり、僕が石垣島に移住してもっともお世話になっている方です。

山城久雄 原画展『海にいきる』
期間:2025年3月6日(木)〜16日(日)
   ※ 3月10日(月)休館
時間:9時〜17時(最終入館16時30分)
場所:石垣市立八重山博物館 特別陳列室
料金:無料

⚫︎ギャラリートーク⚫︎
3月9日(日)14時から
西野嘉憲(写真家)/ゲスト:長嶋祐成(魚譜画家)

『海にいきる』は、石垣生まれの海人・山城久雄が、漁の仕事の傍ら描き残した3,000枚に及ぶ鉛筆画作品から抜粋・構成された絵本です。沖縄の漁撈文化を伝える貴重な資料であるとともに、個の体験と心情が生々しく描かれた作家性の高い作品でもあり、社会・人文の両面において重要な意義を持つものです。
第45回沖縄タイムス出版文化賞・児童部門賞受賞作品でもあります。

画面の隅々にまで細密に鉛筆の黒鉛を刻みつけてゆく執念のような表現衝動と、感情の起伏を感じさせない静謐な筆致。
一貫して一歩引いた目線で自らを含む景色を眺めている客観性と、鼓動や息づかいが聞こえてきそうな臨場感。

それら相反する要素が違和感なく同居しているのは、たとえば何かを模倣したり「この絵で売れよう」と目論んだりして外部に気を取られるということがなく、常に自身の内面にあって描き表すべきものに集中していたからではないかと、私個人は想像しています。

島内の皆さま、そして展示期間中に石垣に来られる皆さまにはぜひ原画をご覧いただき、この週末にご都合が許せばギャラリートークにもお越しいただきたいです。
そしてお見えになれない方々もぜひ絵本をお手に取ってみてください。
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