九州旅行のお土産2点


年末年始に10日ほど先立って、休みをとって九州を旅行してきました。
帰ったら再びただひたすら作業の辛い毎日になることは分かっているので、机の片隅で応援してくれそうな何かをお土産に買いたいと思っていました。

その願いは叶いました。
ひとつめは「苔むす木工」さんの「犬」。博多の「KUJIMA」さんでの三人展、折よく最終日に滑り込んだ形になりました。

inu

inu

inu

苔むす木工さんの作品はこの「犬」に限らず、生き物が持つ力感や質感を受け手の心や手の中にもっとも適切に生み出すことに集中している感じがします。だから「実際の生き物の形をなぞる」ことに囚われていないし、他方「オリジナルの生き物をつくる」ことにも囚われていない。ご自身が何を表現したいのか、目にし手に取った受け手の中にどういう感覚を生み出したのかに真摯に向き合った結果として、この形が生まれているのだと思います。
また、だからこそのこの大胆さ。作家の表現したいことを表現しきるためには、特定の形の脚は不要だったのでしょう。受け手である僕は時に疾走する野犬を見出し、時に四肢を踏ん張る忠犬の姿を思い浮かべます。いずれにせよ共通するのは鞠のような生命の躍動感。そこに至る秀逸なデザインを感じます。
これがもし、「脚はなくしといたんで受け手の方が想像する楽しみを持ってもらえれば〜」などという小手先を弄しただけのものであったなら、この躍動感はここにはなかったでしょう。受け手まかせに逃げた創作物は力を持ち得ない。
他にも素敵な作品はあったのですが、こういったことをもっとも感じさせたこの作品を購入しました。

* * *

もう一つは別府にて、「豊泉堂」さんの「福獅子」。

fukujishi

これはもうひと目見てかわいい!と飛びつきました。
苔むす木工さんの「犬」は何かをつくる人間としての勇気をもらえたり、気持ちがひきしまったりしますが、もう少し甘えさせてくれる何か……ポンポン持ったねことか……とも思っていました。この「福獅子」はその点パーフェクトです。
おでこの「王」を見るたびに笑ってしまいます。

fukujishi

昨年、やはり九州旅行の博多で買った力士をバックに。昨年も仕事の心の支えになるような何かをお土産にしたくて、「力強く王道で前向き」な力士を選んだのでした。こうして振り返ってみると昨年との心境の違いのようなものも感じます。

さて!仕事に戻ろうと思います!