2018年、印象的だった魚との出会い総まとめ
今年は4回の個展に加え、絵本『きりみ』の出版やその他イラストのお仕事を頂戴し、息つく間もなく走り続けたという感じの一年でした。
そんなわけで釣りも潜りも思う存分楽しんだという記憶はほとんどないのですが、人と魚のご縁に恵まれ、今年も印象的な出会いを重ねてきたなあと実感しています。
というわけで去年と同様、それをここに記しておきたいと思います。
●バラマンディ 2月14日 オーストラリア・ノーザンテリトリー
黒潮のやって来るよりはるか向こう、南半球の海へと「海流」を感じに行ったオーストラリアの旅。石垣島と同じ魚ばかりが釣れ、「オーストラリアらしい魚」にはとうとう出会えずじまいか……と諦めかけた旅の最終盤、思いがけなくもヒットしたのがこのバラマンディでした。30センチほどの小さな個体でしたが、水面から激しく飛び上がる姿は迫力十分でした。
●バラハタ 4月21日 石垣島
海岸へとまっすぐに降りる道のない、島の中北部のとある岬の先端へ。海の中を歩いてようやく辿り着いたその場所で、スプーンにヒットしたのがこの美しいバラハタでした。それまでに見たことのあった小型個体とは違う、そして船釣りでよく出会うオジロバラハタとも違う、真紅の魚体に惚れ惚れしました。
●スミツキハタ 4月28日 石垣島
石垣島のリーフで出会う網目模様のミーバイ(ハタ)たちの中でも、珍しいのがこのスミツキハタ。その中でも30センチを超えるそこそこの大きさのものは初めてだったので、ヒトミハタとの見分けに自信がなく、瀬能先生に写真をご覧いただきました。スミツキハタであろうとのご判断に加え、詳細な同定ポイントをご教示いただき、とても勉強になりました。
●ハリセンボン 5月30日 石垣島
海の中でハリセンボンに出会うことはそれまでにも何度かありましたが、掴めるほどのんびりした個体はこれが初めてでした。みるみる膨らんでトゲトゲに。尾びれぐらいしか掴めるところがなく、目の前にぷかぷかさせながらしばらく遊びました。
●ツマグロマツカサ 6月5日 石垣島
アカマツカサ系の魚といえばとにかく「赤」のイメージ。それがこの魚の背は息を呑むほど美しいターコイズブルーで、この魚に出会ったことがその後夜の漁港の釣りに心躍らせることになる原点でした。この美しさは忘れられません。
●キジハタ 8月8日 佐渡島
子どもの頃、一度釣ってみたいと憧れていた「アコウ」ことキジハタ。石垣島でたくさんのハタを見て、改めて温帯のハタに出会って印象を比べてみたいと思っていたところ、佐渡島の旅で数個体出会うことができました。ぬるりとした質感、夕暮れに映える渋い赤みは石垣島のハタとは一味違うなと感じた次第です。
●カワマス 8月20日 日光
RMSショータさんに連れて行っていただいたとっておきのポイントで。これまでトラウト系の魚にとんと縁のなかった僕ですが、初めて釣るのがブルックトラウトことカワマスという贅沢ぶり。虫喰い紋に水色と朱点の映える美しい魚体でした。
●クロホシフエダイ 9月11日 石垣島
石垣島に移り住んでフエダイ属の幼魚たちを数多く見るようになってから、いつかは釣ってみたいと憧れていたクロホシフエダイ。石垣島にはいないのかとほとんど諦めていたのですが、岡田理成さんから釣ったという情報を得てうっすら期待していたところ、とある河口域にて思いがけず釣れました。渋みのある金属光沢は格別の美しさでした。
●フタゴハゼ 10月18日 石垣島
秋の個展で東京へと発つ日の早朝、しばしの釣り納めということで赴いた近場の河口にて。見たこともなく、図鑑にも情報がなかったのでこれも瀬能先生に写真をお送りしてご覧いただいたところ、フタゴハゼであろうとのご回答。さらに「標本にしたいところです」とおっしゃってくださったのですが、残念ながらリリース済み!また出会いたいものです。
●ヒメフエダイ 11月26日 石垣島
晩秋の、夜の干潮でドン引きになる大潮。月明かりに照らされたリーフエッジでの釣りに夢中になっていたところ、ドラグをギュルギュル鳴らす大物が掛かりました。PE1.0号、リーダー3.5号のパワーを頼んで強引に巻き上げたのがこのヒメフエダイ。高級魚だと持ち帰ってマース煮にしたところ、家主の小菅さんから「これまで食べたミミジャー(ヒメフエダイ)で一番です」とのお言葉をいただきました。
●ナンヨウチヌ 12月19日 西表島
RMSショータさんと西表島へ。西表といえば期待するのはこのナンヨウチヌなのですが、願い通りに、しかもトップで水面を割ってこの魚がヒットしました。サイズは小ぶりでしたが、美しい魚体でした。
●ユゴイ 12月20日 西表島
これもRMSショータさんとの西表島釣行にて。すばらしい環境の浦内川渓流域での釣果です。オオクチユゴイは普段の釣りでそれなりに見慣れていますが、ユゴイのスマートさ、シャープさ、青みのある金属光沢に惚れ惚れしました。
●ホウセキキントキ 12月21日 石垣島
またまたRMSショータさんと。朝の港でショータさんのシャッドにまず1尾ヒット、その後足元でルアーに反応してウロウロするのをマイクロジグで釣らせてもらいました。好きな魚ですが、明るい時間帯に釣るのは初めて。改めてその美しさに驚きました。
●オニカサゴ属の一種 12月26日 石垣島
年末、この日になんとか半分以上は年賀状を投函しなければというリミットの日。郵便局の閉局ギリギリに駆け込んだ後、釣り納めにと少しだけ竿を出した港で釣れました。最初は根がかりかと思ったのですが、それがグググと引き込むという「大きめ根魚あるある」の感じ。秋のフタゴハゼに続き、釣り納めには福があると感じた一尾でした。
●マダイ/オオモンハタ 12月30日 宮崎・延岡沖
2018年の釣り納めは、WEB魚図鑑でつながった荒武さんと大ちゃんのご厚意での船釣り。初めてのタイラバで、狙い通りの魚種を次々釣らせてもらいました。オオモンハタは口からカワハギの幼魚が飛び出すおまけ付き。お二人の暖かすぎる優しさに触れて、本当に心癒される釣り納めでした。
来年もまた、たくさんの魚たちとの出会いを重ねたいと思います。