2017年、印象的だった魚との出会い総まとめ

2017年、印象的だった魚との出会い総まとめ


2017年、特に印象深かった魚たち。今年は数回しか海に潜らなかったので、その出会いのほとんどは釣りによるものでした。

長らく「魚の大きさにはこだわらない多目釣り」を自分の釣りだと思ってやってきましたが、大物を釣り上げることにはやはり魔力が…。スリリングなやりとりの興奮と大きさゆえの希少性が、中毒的な喜びを心に刻みつけるのでしょう。この総まとめにも大物との出会いがずらりと並ぶことになりました。

魚種で見るとチヌ(ミナミクロダイとナンヨウチヌ)とガーラ(ギンガメアジ属の魚たち)が多くなりました。これはおそらく、二十余年前に釣りを教えてくださった村田さんがチヌを、そして僕に最初に石垣島との繋がりのきっかけをくださった首藤さんがガーラを憧れの魚としていたから。そうして尊敬する方々の影響を受けつつ、魚との出会いを重ねていくんだなと思います。

●ゴマフエダイ 4月10日 石垣島

ゴマフエダイ

ゴマフエダイ

51センチ、自己記録の個体。小魚を追って水面を割る音がいつも以上に激しく、ただならぬ気配の中ヒットしました。砂浜をひたすら走られ、唯一の障害物である大岩を回り込まれてしまったので、長靴を脱いで夜の海にザブザブ入って岩を回避。そこからもまた走られ、最後はようやく砂浜にランディングしました。興奮のあまり、初めて魚を持って自撮りした夜でした。

●レッドフィンエンペラー 5月21日 石垣島

レッドフィンエンペラー

レッドフィンエンペラー

ぷいぷいユッケの宮崎さんが来島、多目狙いの小物釣りで。その場ではヨコシマクロダイ…?ですよね?と違和感を感じつつも写真を撮ってリリースしてしまったのですが、後からどうやら本種と判明。まだ標準和名がついていないため、標本を取るべきだった…と宮崎さんが悔やみました。

●ハクテンカタギ 6月13日 石垣島

ハクテンカタギ

ハクテンカタギ

お気に入りのシュノーケリングのポイントで。初めて見た黒いチョウチョウウオで、大きさもあって海の中での存在感は抜群でした。少し深みだったので近づけなかったけれど、番でスイスイ泳ぐかれらの上をぷかぷか付いて泳ぎました。

●ミナミクロダイ 6月18日 石垣島

ミナミクロダイ

ミナミクロダイ

この日はお気に入りの浜で朝7時半ごろに突如クロダイの時合が訪れ、ルアーを投げるたびに争って飛びつく水音が上がるほど。10分ほどの間に立て続けに3尾がヒットし、一番大きなものは38センチ。顔つきに大型個体らしい凄みが匂い始めていて、この魚の格好良さにどんどん引き込まれるきっかけになりました。

●ミナミフエダイ 6月30日 石垣島

ミナミフエダイ

ミナミフエダイ

2016年はフエダイ属の幼魚のコレクションを大いに楽しんだのですが、石垣島の陸っぱりで出会える種はほぼ出尽くしたかな、と終息感が漂っていたところで嬉しい初お目見え。パッと見でニセクロホシと何か違うという違和感がありました。個体数が少ないのは間違いないところですが、他の方の採集記録を見ていると稀種とまでは言えないようです。

●オニヒラアジ 7月21日 石垣島

オニヒラアジ

オニヒラアジ

内地で中古の黒鯛ロッドを手に入れ、喜び勇んで島へ戻っての初釣魚。で、穂先をパーン!と折られました。決して大きくはなかったけれど、なにぶん中古ゆえ元々キズでも入っていた模様。その印象の強さもあるのだけれど、個体としてもこれはかっこよかった。このサイズのオニヒラらしいシャープで品のいい顔つきに、透明感のあるシルバーとイエロー。朝焼けの海に映える姿でした。

●オニヒラアジ 8月22日 石垣島

オニヒラアジ

オニヒラアジ

2016年の夏、早朝の港で小魚を追って水音を立てたかと思うと足下を悠々と泳ぎ過ぎる姿に衝撃を受け、あれを釣ってみたいとルアーを始めてから一年余り。ようやくメッキではなくガーラと呼んでいい大きさの個体に出会えました。ヒットの瞬間からガーラと分かり、落ち着いて落ち着いて…こんな引きを味わってるんだから、もうバラしても満足だ、などとバレた時の落胆に予防線を張りつつ、なんとかネットに収めました。2本のフックもスナップもぐにゃりと伸ばされる強烈な引きでした。

●イケカツオ(ミナミイケカツオ?) 8月25日 石垣島

イケカツオ(ミナミイケカツオ?)

イケカツオ(ミナミイケカツオ?)

いただきものの小ぶりのルアーにヒットした小さな個体。背びれの繊細な棘が互い違いで、それをグイと立てるのが面白可愛かったです。絵や写真を見ているだけでは知りえなかった、この魚「らしさ」に触れた思いでした。

●ナンヨウチヌ 8月25日 西表島

ナンヨウチヌ

ナンヨウチヌ

ナンヨウチヌの個体数は相当に多い西表島ですが、このときはその日の宿に着いた夕方、前の浜でポッパーを投げてすぐにヒット。改めてチヌの島だと実感しました。ところどころが燻し銀のように黒ずむ「らしさ」に加え、この個体はとりわけ体高があって特徴的な姿でした。

●ロウニンアジ 9月5日 石垣島

ロウニンアジ

ロウニンアジ

夕焼けに染まった浜で。中ほどのほんの小さな流れ込みにベイトが付くようで、夕暮れとともに騒がしくなり始めたところでヒット。大きさは38センチでさほどでもなかったけれど、さすがはGTと憧れられる魚の子、パワーは同サイズのオニヒラアジを遥かに凌ぐと感じました。浜の眺めの美しさも相俟って印象に残りました。

●ムネアカクチビ 9月18日 石垣島

ムネアカクチビ

ムネアカクチビ

日の出を見に行ったビーチロックの浜で。さほど期待もせずにポッパーを投げたのですが、立て続けにフエフキ系がヒット。その中でも一際パワフルだったのがこのムネアカクチビでした。オリーブグリーンの体色と黄色い口唇に、しっかりと「らしさ」の出た美しい個体でした。

●オキザヨリ 9月25日 波照間島

オキザヨリ

オキザヨリ

石垣島に多いダツは、リュウキュウダツとこのオキザヨリ。前者の大型個体は既に見ていたのですが、後者はなかなか目にする機会がありませんでした。ところがオキザヨリを絵に描こうと思うようになってから、出会いが急増。そして波照間で100センチオーバーの大物を手にし、リュウキュウダツとの体型や雰囲気の違いをしっかり目に焼き付けました。とても格好良い魚です。

●ミナミクロダイ 9月28日 石垣島

ミナミクロダイ

ミナミクロダイ

初めて訪れたポイントで、日も暮れてそろそろ引き揚げようかと思いながら何気なく投げたルアーにヒット。白くて平たい魚影が見えた時には個体数の多いマトフエフキかと思ったのですが、手元へ寄せてみると思いがけなくも嬉しいミナミクロダイでした。よく肥った個体でした。

●ミナミクロダイ 10月9日 石垣島

ミナミクロダイ

ミナミクロダイ

9月28日と同じポイントで、今度は朝、最初からチヌ狙いで。いかにもこの魚が好みそうな穏やかな浅瀬を渡り歩きつつ、ポコンポコンと引いていたポッパーにヒット。狙い通りに釣果が得られた心地好さと、青みのよく効いた美しい魚体に、とても満足した朝でした。

●ミナミクロダイ? 11月4日 加計呂麻島

ミナミクロダイ?

ミナミクロダイ?

チヌ好みの地形が盛りだくさんで、とにかくかれらとの出会いを目的に訪れた加計呂麻島。島を出るフェリーの出航15分前、満潮で雰囲気の良くなった港の一角を目にして、一度仕舞った竿とリールを再びスーツケースから取り出しました。焦りつつ準備して数投めで本当にヒット。体高が高く、尾びれが青みを帯びて特に美しい個体でした。側線上方横列鱗数(TRac)=5.5で、ミナミクロダイ(TRac=4.5)と異なるのですが、変異なのか別種なのかは不明。

●ギンガメアジ 11月30日 伊良部島

ギンガメアジ

ギンガメアジ

手のひらサイズの「メッキ」の中では飛び抜けて個体数の多いギンガメアジですが、40センチを超えるようなものは陸っぱりではまるで見かけませんでした。それが水深数十センチの浅瀬で初めての44センチ。シャープな体型と顔つきはメッキサイズのものとガラリと異なり、スズキのような印象すら受けました。

●ナンヨウチヌ 12月10日 石垣島

ナンヨウチヌ

ナンヨウチヌ

直前の西表島滞在では、期待していたチヌの顔を見られずにがっかり。それが石垣島へ戻って日の出を見に行った早朝の河口域で、思いがけず出会いました。石垣島では初めてのナンヨウチヌだったし、何よりこの種らしい特徴がしっかり出た魚体の美しさが抜群でした。

●ロウニンアジ 12月24日 石垣島

ロウニンアジ

ロウニンアジ

前日、大物にルアーを2つ持って行かれたポイントでリベンジ。前日同様、ヒットした後すぐに走り出し、ドラグがなかなか鳴り止みませんでした。15分超の格闘の末、砂浜にランディングしたのは49センチのロウニンアジ。鱗に大人びた黒斑が混じり始めた個体で、最高のクリスマスプレゼントにして2017年の釣りの締め括りになりました。

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ここに挙げなかった魚たちも、本当に一尾一尾が心からの喜びをもたらしてくれました。
2018年もたくさんの魚たちの顔を見られますように。

 

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