釣りの秘訣は「信じる心」
石垣で僕にゼロからルアー釣りを教えてくださっている岡田理成さんと久しぶりにご一緒させてもらって、干潮のリーフへ。
岡田さんとは別ルートで距離をおきつつ、ポツポツ釣ったりバラしたりしながら沖へ向かって歩く。
一足先にリーフエッジで釣っていた岡田さんに追いつくと、背後のプールを指差して「あそこ投げました?出ますよ、投げてみてください」。
言葉に従ってルアーを投げると、2投目でアオノメハタが釣れた。実物を見るのは初めて。全身に散りばめられた、目にも眩しい群青のスポットがとてもきれい。胸びれの内側が特に鮮やかだった。これぞ師匠のご利益。
日付変わって、YouTubeで沖縄本島の釣りの達人、宮城梓さんの動画を見る。
僕は釣り動画が少し苦手なのだけれど、宮城さんのは別。一度お会いして、謙虚で思いやりのある人柄と深い魚愛にすっかり惚れ込んでしまった。そんな宮城さんのその動画、内容は「トップ(水面)でチヌを釣る」というもの。真冬の低水温期はなかなか魚たちも水面のルアーを追わないのだけれど、さすが宮城さん、「沖縄はもう春です!」と言いながらトップで大きなチヌを釣っていた。それを見て居ても立ってもいられず、さっそく早朝の海へ。同じようにトップで、狙い通り37センチのミナミクロダイが釣れた。立派なサイズ。
この2つの嬉しい釣果に共通するのは、「うまい人のお墨付きをもらって、釣れると信じて投げたルアーだった」ということ。これは釣りの秘訣とも言うべきで、逆にどういう釣りが一番うまくいかないかというと「こんなところで、こんなやり方で、本当に釣れるのかな…?」と疑いながらする釣り。信じれば集中力が増し、次の瞬間に期待して片時も気を抜かないので結果が出る。一方で、疑っているといつもそわそわと気もそぞろで落ち着かないものだから、釣れるものも釣れない。
釣友の高岡さんが、他の人が釣らないような場所でどんどん大物を釣るのも同じことだと思っている。彼は「こんなとこに魚いないだろう」とは考えず、「いるかもしれない魚の気配」を感じ取ることに120%集中する。
人からお墨付きをもらうのであれ、自分自身で可能性にかけるのであれ、「信じる心」は釣りの結果を大きく左右する。これは人生を考えるうえでも実に示唆的ではないか。